見当違いな?「子育て同盟」。国家レベルで対策を行わなければ、将来日本は国として存続できない!!<1/2>

不況を抜け出せない日本経済。バブル経済の崩壊から20数年経過した今日でも、景気回復がなかなか思うようにすすんでいない。一体いつになったら、元気な日本経済に戻れるのだろうか。

景気回復と同じように、頭の痛い問題がある。それは「少子化問題」だ。少子化問題は将来の日本が国を存続する為に、最優先で対策を取らなければならない問題と言っても過言ではない。

そんな中、少子化に歯止めをかけようと、少子化に問題に危機感を持った、子育て支援に意欲的に取り組んでいる県による「子育て同盟」が発足した。少子化問題の対策はなかなか上手くすすんでいない中、とても歓迎されることだろう。

しかし、果たしてこの「子育て同盟」は上手く機能しているのだろうか。いささか疑問に思っている最中、今年大人気となったディズニー映画「アナと雪の女王」の歌に合わせて、少子化担当大臣をはじめ、各県の知事11人他が出演している映像が動画投稿サイトYoutubeにアップロードされ話題になっている。映画のシーンを再現している部分もあり、「アナ雪」好きにはとても楽しい作りとなっているが、これを制作するにも費用がかかる。もちろんこれは税金だ。そしてYoutubeには動画を見てコメントを書くことが出来るが、このコメントも酷評が多い。

発足して1年、この動画を制作する為の活動をしていたのかと(ヒット曲が生まれるまで待ったのか?)、更に疑問が深まった。

税金を使い運営しているのならば、この動画の趣旨や、動画によってどのように活動の為になるのか内容をもっと明確に示し、本気で少子化問題に立ち向かうべきだろう。

何も伝わらない子育て同盟の動画配信。このような首長達がリードしても、問題の解決には決してならない。 

厚生労働省が2013年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むとされる子供の人数)が2連続でわずかだが上昇した。女性が生涯に産む子供の数が1.43人。これは1996年以来、実に17年ぶりの水準に回復した。2005年には1.26人と出生率が低下したが、その後は横ばいから上向きの基調が続いている。

この数値をみると、人口増加に期待が持てるが、実際の出生数は前年より7400人減り、過去最少の102万9800人となった上に、死亡者数が1万2000人増の126万8400人で、人口減少が続いている。

 少子化による人口減少に歯止めをかける為に、昨年5月に11県の知事により「子育て同盟」が発足した。同盟には、子育て支援対策に意欲的な宮城県、長野県、三重県、鳥取県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、高知県、佐賀県、宮崎県が参加している。

少子化は、今や日本の将来を脅かすとても大きな問題。出生率は増加しているが、人口減少が続いており高齢化社会が、これから益々深刻となるのは必死だ。

この少子化に歯止めをかける為に、昨年子育て同盟が発足した。今までの活動で成果は出ていないからなのか、同盟の話題は殆どなかった。しかし、今年大ヒットしたディズニー映画「アリと雪の女王」の主題歌に合わせて、森雅子少子化担当大臣と11県の知事が振り付けをして動画が作成され、先月15日に動画投稿サイトYoutubeにアップされた。先月15日の公開から現在までに28万回以上再生されている。

11県の知事が口パクと振り付けを歌に合わせてしており、動画的には楽しい作りになっているといえるのではないだろうか。

しかし、これは個人や民間の会社などが撮影し動画をアップしているなら楽しいで済む話だが、これが現役の大臣と11県の知事によるならば問題だろう。

昨年、AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」が名立たる企業が動画を作成し話題になったが、この時も普段はお堅いイメージのあるお役所からも投稿された。

最初に佐賀県知事自ら投稿を提案した「佐賀県庁バージョン」が投稿され、二番目に投稿した神奈川県では、知事、県職員、県民ら1500人が踊る県のPR動画の再生回数が、公開4日目でなんと140万回を超えた。

非常に視聴者が多いYoutube。一般企業にとっては良い宣伝になるだろう。そして税金を使って制作したとはいえ、自治体もPRの観念から動画をアップしたのであれば、問題がないかも知れない。

しかし、今回の子育て同盟の動画制作はいかがなものだろうか。この映像の作りから、とても素人作ったものではないのがすぐわかるほど、CG(コンピューターグラフィックス)などを駆使し、非常に費用がかかっている出来となっている。もちろん、制作費は我々が納めている税金だ。税金を使いこのような意図のわからない動画制作は問題があるだろう。

Youtubeは動画についてコメントが出来る。そのコメントの内容だが、非常に酷評が多い。「 なぜ『アナと雪の女王』が子育て支援の題材になるのか?本質がわからない。動画の質の低さ当然ながら、『「流行の映画でパロディを作ってみました』という首長の資質を疑ってしまう内容。子育てを支援したいという真摯な思いは全く伝わらず、怒りさえ覚える。」

「センスの無さ。最初のテロップ以外内容と子育てに何の接点もないし作った広告会社だけが儲かる構図」

「いやー、、、これ、大丈夫?権利関係がとっても心配なんですけど。なんか松たか子さんとか神田沙也加さんとかがエライ大変だったとかFMで話してたけどそんなディズニーがOKするとは全く思えないんだけど。AKBの奴とかHappyとかとは全然違うと思いますが?」

等、今回の動画は昨年のAKB48の際とは全く違い、ほとんどが批判的なコメントになっている。中には、「完全に国民を馬鹿にしています。これを面白いと思う神経がわからない出演者はた

だのバカにしか見えません。これを公費で作っているなら。全員辞職してください」

と辞職を願う声もあるほどだ。

同盟を発足して1年で話題になったのがこの動画だけならば、同盟の趣旨が全く伝わってこない。この日本で少子化が問題になることは、数十年前から分かっていたことである。それがこんな動画で少子化問題が解消されることは決してないだろう。