食品不信の最中の偽装発覚!!木曽路は生き残れるのか!?<1/2>

有名ホテルグループの食品偽装事件も、ニュースになってから半年以上が過ぎ、話題にも挙がらなくなってきたが、今月15日、愛知県名古屋市に本社を置く、しゃぶしゃぶ・日本料理店等を全国展開する「木曽路」が記者会見を行い、懲りずに食品偽装が発覚した。国産ノーブランド牛を高級ブランド牛「松阪牛」と表示し、客に提供していたのだ。

食品の偽装問題は、数年前にも雪印食品や船場吉兆の産地偽装事件が大問題になったが、日本の食品偽装は一体何故なくならないのだろうか。

先月、日本の企業も取り引きがあった、中国の上海福喜食品で、期限切れの食肉を使用していた事件があり、食材に対する不安が解消されていないままでの今回の木曽路の食品偽装問題は、ますます消費者の信用をなくすことになっただろう。

木曽路の会見では、ホテルグループ同様、各店舗の料理長の判断とのことだった、それなら何故、数店舗で同じような食品偽装が行われていたのだろうか。

納得が出来ない記者会見から、経営側と現場の絆の浅さが見えた。

食品に対する不安がある中での木曽路の食品偽装。この罪は非常に重い!!

2013年10月7日に阪急阪神ホテルズで発覚した、メニュー表示偽装事件。阪急阪神ホテルズが運営するホテルに入る23店舗で、合わせて47のメニューに食品産地や、食材に嘘の表示があったことが分かった。「芝エビ」使用と表示しながら、値段の安い「バナメイエビ」を使い提供。また、牛脂注入肉をビーフステーキとメニューに表示し提供するといった、食材偽装の他、別産地の豚を「霧島ポーク」「沖縄まーさん豚」と表示するなど、産地偽装もあった。その後、リッツカールトンのような世界中に展開している巨大なホテルグループでも偽装表示があり、阪急阪神ホテルズから始まった食品偽装問題は底なし状態となった。

先月には、中国の上海福喜食品で、期限切れの食肉や、床に落ちた肉、カビが発生している肉など非常に不衛生な肉を原料として加工した食品が、日本マクドナルドやファミリーマートで販売される事件があった。日本の消費者にも提供されて実際口に運ばれ、今のところ健康被害は出ていないものの、食品に対する不安が払拭されていない中での今回の木曽路の偽装問題。この罪は非常に重い。なぜ懲りずに木曽路は消費者が食品に対する不安を抱く中、偽装メニューを提供していたのだろうか。

プライドよりも利益優先。消費者を騙すのはいい加減にして欲しい。

木曽路の偽装問題は、ノーブランド国産牛を、高級ブランド牛の松阪牛として偽って提供。消費者庁の立ち入り検査で発覚した。松阪牛より1500円から2000安い国産牛をこれまでに分かっているだけで、約7000食を客に提供していたという。木曽路の会見で店舗の料理長の判断で偽装が行われていたと社長が謝罪した。

何故、いつも現場の判断でこのようなことが行われか疑問になる。今回のように料理長が独断で指示をして、現場として得することはあるのだろうか。 すっかりブラック企業の代名詞となった「ワタミ」。ワタミの居酒屋では各店舗の予算が非常に厳しく、サービス残業は当たり前で、その上、休暇を取ったことにして無賃金で勤務し、予算を調整している店舗の責任者(店長)が多い。各店舗ごとの予算があるのは当然だが、働き安い環境ではないと、客に満足のいくサービスが提供出来ないのではないだろうか。

今回、木曽路の食品偽装に対する会見の中で、組織ぐるみで現場に予算などで追い詰めていたのではないか?と記者に質問されていたが、ワタミ同様、きびしい予算状況にあったのではないだろうか。木曽路は「原因の完全な特定には至っていない」「社外委員ら第三者委員会を置くことも検討し、実態解明を進める共に再発防止策もまとめる方向」だというが、結局のところ、企業として予算の締め付けがない限り、現場の料理長が指示をして偽装を行っても何も得をすることはないだろう。客に最高の料理を提供するというプライドより利益優先が招いた結果ではないかと考えられる。

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