柔道家の魂を捨ててまでメダル獲得に走ったベイカー茉秋

8月11日(木)に「リオデジャネイロ五輪・柔道男子90キロ級」の中継を見ていたんですが、非常にがっかりさせられる内容だったので、日本人として情けないような気持ちになりました。
日本柔道代表の一人、ベイカー茉秋(ましゅう)が決勝に一本勝ちで勝ち進んだまでは良かったのです。しかしジョージア代表のバルラム・リパルテリアニとの決勝戦の内容が酷かった。
開始2分過ぎぐらいに大内刈りで「有効」をとった後、ひたすら逃げまくるだけの柔道を見るはめになりました。審判も見るに見かねて残り1分の時点では「消極的」という指導を出しましたが、そんなことにも全くお構いなしで、その後試合終了まで逃げ・逃げ・逃げの逃げ勝ちで金メダルを獲得しました。これにはさすがに日本人びいきの多いブラジルの観客からもブーイングの大合唱が起こったのを覚えています。
お前、日本代表なのに、一本とりにいくような柔道も見せられないで、こんな邪道でしかメダルとれないのかよ!と思わず叫びたくなりました。
金メダルはとったけど、彼には日本柔道界の代表としてのプライドが欠けていますよね。というより、武道家としてセコ過ぎるし、認められません。
本人はインタビューで「柔道人気を爆発させたいと思っていたので決勝でも一本でバシッと決めたかったんですけど…。でも仕方ないです。」と笑顔で語ってましたが、私は「仕方ない」なんて言ってないで武道家なら打算抜きのベストを見せろ!と言いたい気持ちです。
金メダルが獲れさえすればそれでいい、内容はどうでもいい、という風潮には私は反対です。
例えハーフでイケメンであっても、柔道本来の魂を失なってまでメダルにだけ固執する浅ましさを見せつけられては、日本人としては恥ずかしい限りです。
(投稿ネーム:グレイシー)
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グレイシーさんのお気持ち、お察しします。柔道は日本発祥の競技ですので、日本に関してはそのポリシーを完全に自分のものにした尊敬できる人物から頂点に立っていてほしいですよね。本来ならば、柔の道を極める事とオリンピック柔道の頂点が一致していることが理想ですが、今回はそういう意味では残念だったと思います。つまり、金メダルこそ獲得しましたが、柔道家を志す少年少女の模範には絶対にならない柔道であり、長い目で今後の日本柔道界の発展を考えた場合にはマイナスな出来事かも知れないということです。各国とも「メダル獲得競争」ばかりに注目が集まって競技の本質を見失いやすくなるオリンピックの環境にも原因があるかも知れませんね。
<「投稿サイト」編集部>