高校野球界に一石を投じた金足農野球部

100回を記念した全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)。
記念大会に相応しい内容の大会となり、全国高校野球ファン、いやファンならずも多くの国民の目を釘付けにしました。
秋田県から勝ち上がった金足農業高校野球部の存在が新たな高校野球の1頁を開いたと言って良いと思います。
近年の高校野球は中学生時代からマークした選手を私立の名門高校野球部がスカウトして寮に入れて完全管理し、雨天練習場も整備し、3年間野球漬けにして鍛え上げるというシステムの中でプロ野球養生場と化していますが、それを野球留学などと呼んで美化してきました。
ところが金足農高は県立高校であり、全員が秋田県出身の選手です。
県内予選から投げ抜いてきたピッチャーは吉田輝星選手一人のみで連投してきました。得点圏にランナーを進めるためには強行策をとらず、送りバントという、高校野球本来の正攻法を採用しています。
全てに”全力”という姿勢に真の高校野球の在り方を再認識させてくれて、一夏の涼風となりました。
福島県には県内常勝の聖光学院がありますが、これは地元選手の少ない野球留学によってその勢力が維持されています。金足農はそんなことをやらなくても甲子園で勝ち抜くことが出来るということを証明してくれました。
これを契機に全国の公立高校よ、目覚めて欲しい、と思うのは私だけで無い筈です。
約20数年前、聖光学院を野球の名門校にするためやったことは、甲子園準優勝投手を雇って全国の中学校から有望選手を集めることから始まっています。
宮城県の東北高校や仙台育英と同じ道を辿って強くしていっただけのことです。
こんな在り方に疑問を持っているからこそ、今回の金足農の活躍に皆拍手を送ることになったのでしょう。
(投稿ネーム:真の高校野球ファン)
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仰る通り、今回の出来事が正に高校野球界に一石を投じた、という結果になることを切に願うばかりですね。近年、スマホを主体とした情報端末の進歩に伴い、球児達が自分が目標にしている有名プロ野球選手のイメージを明確に自分のものに出来る環境が整ってきたそうで、金足農の吉田投手も、憧れである大谷翔平選手の投球スタンスからものごしまでをかなり精密に再現する気持ちでマウンドに立っていたそうです。試合で強いメンタルが求められる投手にとってはこうした要素も大きな勝因になるというスポーツトレーナーの知見もあるようですね。実際、金足農高と聖光学院が定期的に行っている練習試合では聖光学院が勝っているそうですが、甲子園という空間では、全く別次元の底力が発揮されるという事実があり、そうした面でも精神力は侮れません。色々な側面から得た情報を分析すると、金にものを言わせて勝とうとする名門私立高校に公立高校が勝てる可能性やノウハウが徐々に浸透してきているようですね。健全な高校野球の今後に、大きな夢を持ちたいところです。
<「投稿サイト」編集部>