福島第一区は因縁の対決

12月2日公示、14日投票の衆院選で福島一区は、自民、亀岡よしたみVS民主、金子恵美という因縁の対決が起こることになる。何故、因縁かというと、いずれも旧亀岡高夫派の流れを組む候補者であって、20数年前、亀岡高夫の死去に伴って旧亀岡派は養子のよしたみをはじめ、秘書達が激しい後継争いを行った。

当時、本流を名乗った金子の父(故人)徳之介が一早く衆院議員となったが、2期目半ば病に倒れ任期を全う出来なかった。その後、衆議院議員にこだわって何度も挑戦を続けてきたよしたみが初当選を飾ったが、小泉旋風に乗って17万票を超える票を獲得、他の衆院議員達を驚かせた。前々回は民主の風の中、石原洋三郎と戦い落選の憂き目にあったが、前回、復活した。一方金子は7年前、参院選に当選したものの福島県内が1人区になったため自民の森まさこに破れ、充電中だった。日本全国で突然の安倍の長期政権を狙った今回の解散に戸惑う野党陣営だが、金子の出馬も付け焼刃の感が否めず、苦戦は覚悟の戦いとなろう。

そもそもこの福島一区の民主党候補は前回戦った大場秀樹に白羽の矢が立ったものの、当選の見込みがないことを知っているため民主党県連幹事長の亀岡義尚(よしひさ)県議に振ったと言われる。よしひさ県議も婆(ばば)を引きたくないため、金子に出馬要請をしたというのが流れのようだ。かつては旧亀岡派の中にいた二人だが、同じ衆院選で戦うのは初めてのこと。今回のアベノミクスの失敗解散(別名不祥事ごまかし解散)のおかげで、候補者に熟慮させる時間がなかったために、かつての因縁の対決が実現することになった。

しかし、誰もが予想するように、ドブ板選挙を地でいって、何年も選挙区を歩いてきたよしたみの強さは本物で、先の県知事選での勇み足も、自分の選挙区の支持者達には何の影響も出ないことだろう。

それにしても、石原洋三郎が所属するみんなの党も解党の憂き目にあい、かつて籍を置いた小沢一郎の生活の党も消滅して行く。前にも後ろにも進めない厳しい状況に追い込まれた洋三郎だが、今回の出馬は見送るしか選択肢が無く、次回の政界再編に望みをつなぐことになるようだ。政治家の離党のタイミングの難しさが伝わってくる。

今回のアベノミクス失敗解散という突然の奇襲攻撃に弱い野党は慌てふためいているが、何故か弱すぎるため、つい応援したくなってしまう。

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そういえば、亀岡代議士が亡くなった時、養子のよしたみ派、武藤秘書派、金子旧保原町長派といくつにも分裂したことがありましたね。結果は金子氏が当選し、その主導権が握られようとしていた矢先、突然倒れてしまった悲劇が起こりました。その後、よしたみ氏が度重なる落選にもめげず、挑戦し続けてきた結果の大得票ということも起こりました。

今の状態では、いかに金子氏が善戦しても現職の壁は厚いと言わざるを得ないでしょう。

<「投稿サイト」編集部>