伊達市の学校給食用パンに異物混入。半月過ぎても特定出来ず。こんなことで大丈夫!?

8月28日に、伊達市学校給食センター管内で起きた給食パンの異物混入。日が過ぎること9月9日に、ようやく伊達市保原学校給食センター(以下給食センター)所長名で各公立幼稚園、小中学校に保護者向けに通知があった。異物混入から日が経ち過ぎてからの通知だった訳だが、今現在、異物の成分分析が出来ていないとのことだ。あまりにも時間がかかり過ぎているのではないだろうか。

こんな対応しか出来ないとなると、児童の食の安全に対する危機管理があまりにもお粗末としか言いようがないだろう。

成分特定後の対応はどうなるのだろうか?

先日不在の為、話をを聞くことができなかった上保原小学校教頭に話を聞いた。

8月28日の6年生の給食パンに異物が混入していたということだったが?という問いに「児童が異物に気づいた。金属のような固いものではなく、口には入れていなかったが、もし食べてもすぐ怪我をするようなものではなかった」とのことだ。

では、どのようなものか?と尋ねると、「色は灰色で、そんなに大きいものではなかった。6年生児童全員が幸いにして口にすることはなく、健康被害は一切出ていない」と念を押していた。学校側から、保護者向けに 通知が遅れた理由について尋ねると、「給食センターからの成分分析を待っていて、思った以上に時間がかかっていたが、成分が特定されないままに通知をするのは、不安を煽るとの懸念から給食センターからの通知を待って保護者に通知した」とのことだった。

福島県学校給食会常務の話はこうだ。成分分析結果は出たのかと尋ねたところ、「現時点でまだ成分特定は出来ておらず、引き続き調査中」とのこと。「調査は細菌検査をしたり、機器メーカーに色々な確認をしていると」いう。取材の中で初めて機器メーカーという言葉が出てきたので機器メーカーに確認中ということは、パン製造機器に問題があり、製造過程で機器に使用している機械油などが混入したのか?と尋ねたところ「もちろん食品を製造する機器なので油とかは無害だが、その可能性もないとは言えないので現在確認をしている」とのことだった。

今後の対応については「園児、児童には大変申し訳ない。出来るだけ早く成分特定をしたい」とのことだった。

伊達市教育委員会にも話を聞いた。

現在わかっていることは、青や緑色の物質がパンに混入していて、給食センターの館内の幼稚園は6、小中学校が15、そのうち今回の異物混入の連絡があったのは、幼稚園学校名は聞くことはできなかったが、6の幼稚園小中学校とのことだった。

これはかなり多いのではないだろうか。

そして、給食センター館内の幼稚園、小中学校にパンは供給されているのか?との質問には「代替業者で対応しており、給食にパンはちゃんと出ている、成分が特定され、元の業者に製造を戻せるかどうかも今後の成分が特定されてからのこと」とのことだった。福島県学校給食会のほうでも、「緊急時に学校給食が滞らないように、代替業者で対応出来るようにしている」ということなので、給食のパンは問題なく供給されてるようだ。

危機管理はどうなっているのだろうか。児童の口に入るものの問題だが、あまりにも軽く考えているのでは?

今回の取材で感じたのだが、各方面まるで危機感が感じられなかった。

まず、学校側の話で、成分特定を待っていたとこのとだが、半月も過ぎて通知するのはいかがなものだろうか。異物混入があった日に、児童から聞いた保護者もいたことだろう。当然問い合わせもあったと考えられるし、成分が特定されなくても、早急に異物が混入されていたと保護者に通知するべきだ。しかし、口に入らなかったので急いで通知する必要を感じなかったのか?

また、製造機器の問題で、たとえ無害の物が混入したとして、食べても無害だから大丈夫、騒ぐほどの事ではない、位に考えているのではないだろうか。もし、そうだとしたら大変危険である。少し前に中国で期限切れの肉や、腐った肉を原料としていた問題があったが、日本でも実際に鶏肉加工品が販売され、実際に口に入った。この時も幸いにして健康被害は出なかったとはいえ、極論になってしまうが、これと同じで健康被害がでなければ問題ないと錯覚してしまう。

実際のところ、目に見えて異物が緑、青、そして灰色にだったということは機械油ではなく別の異物が混入したと考えられる。いずれにしろ、異物が混入したということは健康被害の有無に関わらず大問題の筈だ。外食をした際に、料理に髪の毛でも入ってでもしたら、健康被害などなくても大騒ぎになるだろう。

繰り返しになるが今回の問題は幼児や児童の食に関する大問題だ。このことをうやむやにするのではなく、徹底的に調査し、問題点を改善して二度とこのようなことのないようにするべきだろう。

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月刊タクティクスに掲載予定ですが、その前に速報として掲載しました。詳報は9月25日発売号を是非ご一読ください。

しかし、今日のニュースでも学校給食に異物混入があったと報道されていました。衛生管理、危機管理をしっかりしてほしいものです。

<「投稿サイト」編集部>