搭乗手続きだけでも不快な思いをするグランドスタッフの対応の悪さ。そんなLCCの機内で気持ちの良いサービスをうけられる筈が無かった。
では、機内ではどうだろうか。
まず、何と言っても座席の狭さ、窮屈さを非常に感じる。予約の段階で席の指定をしないと(もちろん有料)、窓側、通路側すら選べない。
LCCは小さい機材にすし詰め状態で乗客を搭乗させるため、体格の良い人が窓側や三列シートの真ん中にでもされた時には、その状態で数時間、遠い所だと10時間以上も非常につらい状態で座っている事になる。
そんなにLCCのシートピッチは狭いのだろうか。イギリスのLCCは、通常大手航空会社で190席ほどなのに、233席まで増席している機材もある。
これは通常より6、7列席が多い事になる。前の席の人がリクライニングすると、顔の前まで僅か20cmと非常に圧迫感を感じられる配列だ。
また、LCCでは足を組む事さえ出来ない機材が多いので、やはり非常に苦痛に感じる人が多いことも考えられる。
全てのLCCが同様とは限らないが、客単価を下げつつ収益を上げるためにやはり増席して、少しでも多くの乗客を乗せていることになる。
更には、増席し席が余って空席があろうと席の移動は御法度だし、隣の空席に荷物を置くなどもってのほかでCAに注意される。
機内サービスはというと、機内食(飲料等含む)、毛布、エンターテーメントも全て有料で、もちろん飲食物の持ち込みは一切禁止だ。
だが搭乗後、すぐに寝るという人も多いだろう。そうなると機内食はあってもなくても同じということになるが、その睡眠中に寒くなったら、毛布を借りる必要性も出てくる。LCCなので毛布が有料だとしても、それは理解して搭乗しているので仕方が無いかもしれない。
しかしそれが意図されて機内が寒くなっているとしたらどうだろうか。
聞くところによると、ジェットスターのアジア便、成田発―オーストラリア(マニラ経由ダーウィン行)間を運行している機内で、水蒸気が空気口から目に見える形で真っ白に噴き出し、機内の温度が下がるというのだ。
「始まった、ジェットスター名物」と常連の乗客が口にする位だという。
それで毛布を借り、代金を支払うというのはいくらLCCが客商売とはいえ、もはや誰もが思う航空機の機内サービスではなく、ぼったくり機内サービスになってしまう。それも薄着の乗客が多い、暑い国に行き来する便でのことだ。
そして、CAの態度が酷すぎる。運行している路線の便の言語を完璧に話せるようにとは言わないが、片言でも話して欲しいものだ。乗客が用事でCAを呼ぶと「ペラペラペラ」と英語で早口で話をされ、さっぱり意志の疎通が出来ない。
安い飛行機を利用するには乗客の方が片言の言葉を話できないといけないのか、話せない客は客ではないのか、と言いたくなる。言語が理解できない乗客と、非常時にどのような的確で、安全な対応ができるのであろうか、甚だ疑問である。
こんなこともあった。韓国客船の安全より金!!が巻き起こした大惨事、死者、行方不明者が300人に迫る事故が記憶に新しい最中、ピーチ・アビエーションが、海面激突まで高度75m、時間にしてわずか20秒という、あわや大惨事が起こる寸前の事態が起こった。
機長はアルゼンチン人、サポートは日本人の女性副機長がしていた。機長は管制塔から降下するように指示されたと勘違いをした、簡単な聞き間違いだったようだが、副機長も気づかなかったのであろうか。
パイロットの質の低さが伺えたこの問題から、危機管理はしっかりされているのか心配だ。
本来のCAがするべき仕事を放棄し、不便を感じさせて代金を請求する。LCC(ローコストキャリア)はLQC(ロークオリティーキャリア)に通称を変えるべし!!
こんなLCCが日本で主流となると、世界のなかでもトップクラスのサービスを提供している日本の大手航空会社もLCCと同じ目で見られたらたまらない。
客には航空会社を自由に選ぶ事が出来るが、日本の航空会社のサービスはこんなものか、随分日本の航空会社も質が落ちた物だ、と言われる覚えのないことを言われた上に、外国の航空会社を選択する人も出てくるだろう。
LCCが大手航空会社に現段階で勝っている所は、出来る人には予約発券が自宅で出来て便利な位で、予定の無い飛行機好きが趣味で利用する位の航空会社と思えてくる。しかし、予定が無く、趣味で利用することは、余程のことが無い限り、皆無と言えるだろう。
そして、LCCと関連して、運営の苦しい地方の空港はLCCを誘致し、着陸料で利益をあげようとする空港もある。しかし、その路線が世界で一番観光客のマナーの悪い中国路線だと言うからたまらない。
日本に限った事ではなく世界中で中国人のマナーの悪さは評判だ。数年前の中国人観光客の規制緩和で、日本入国のビザが簡単にとれる様になった。マナーの知らない中国人観光客の増加で、治安の悪化が懸念される。
日本で一番大事なお客様に対する誠心誠意の対応。それが今後日本で生き残るための最大の課題
さまざまな問題が指摘されるLCC。このままの業務内容で大手航空会社相手に勝因は有るのか。はっきり言って、ないだろう。
なぜなら、一番最優先で考えなければならない乗客のことを、さっぱり無視した業務をしている感じがするからだ。もう一度乗客の立場になり、業務に対する見直しが必要だろう。
実際に国民生活センターのWebサイトによると、特に「低運賃でも苦情は急増」とLCCに関する記載があるくらいだ。航空サービスの相談件数の約4割をLCCが占めるほどだ。ウェブによる予約、購入が前提となっているのに、「表示の分かりにくさ」「トラブル時の対応」「接客対応の悪さ」に関するトラブルが目立っているようだ。
実際にLCCを利用すると予約、チェックイン、搭乗、機内での各場面で非常に不愉快な思いをすることがとても多くある。
日本では、お客様は神様、とい言葉があるくらい非常に客のことを大切にする。どの様な業種、業界でもそうだ。
では、航空業界のLCCと大手航空会社の違いはなんだろうか。飛行機以外にも交通手段はたくさんある。しかし大手航空会社は最高の輸送手段であると自負し、責任を持った業務、サービスを行っている。
航空会社に限らず他の業種でも、普通は責任を持って業務をしているから、需要と供給の関係が上手く保たられ、世の中が成り立っている。
しかし、LCCは安く乗せてやっていると迄は言いすぎかもしれないが、最低限の業務を行い、儲かれば良い位にしか考えていないようにみえる。そんな考えが、業務態度にも表れているような感じがする。
ふと思い出されるが、古い話にはなるが、LCCの従業員の業務態度は、まるで民営化される前の国鉄職員のようだ。LCCは、それ位古い時代の業務を行っているといっても過言ではないだろう。
結局、LCCは日本人の最も大事にしているお客様に対する「お・も・て・な・し」の精神を忘れては、今後日本で生き残るのは難しいと言えるのではないだろうか。
では、どの様な業務がおもてなしの精神を持っていると言えるであろう。
それは簡単だ。客に喜ばれる当たり前の業務、当たり前のサービスをすれば良いだけだ。
全く難しいことではない。LCC各社が早くこのことに気づき、安かろう悪かろうではなく、安くて良いサービスを行っていけば、自ずと今より評判が良くなり収益が上がると思う。早くこんな簡単なことに気づいて欲しい。
LCCが経費をかけなくとも、大手航空会社の従業員と同じ意識で業務をすれば、LCCが本当に便利な信用される航空会社になることだろう。
今後もLCC業績、業務をみながら、続編を書いていこうと思う。
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LCCの登場で、大手航空会社も料金に対して柔軟性が出ています。LCCも乗客の苦情を軽視する訳にはいきませんから、サービスの改善を早期に期待したいですね。
それにしてもLCCの機内では、CAが常にゴミ袋を持って行き来するのは閉口します。
<「投稿サイト」編集部>