発注者の意向を出し抜いた田畑設計事務所

 昨年秋に発注予定した川俣町の新庁舎ですが、設計者の過大設計により、川俣町の当初予算の2倍の以上の事業費が見込まれるため、設計の大幅見直しか、大幅起債をするかの選択に川俣町が追い込まれてしまいました。原因は震災で危険判定を受けた庁舎を、プロポザールで選定したところ、庁舎設計を幹事会社として設計実績のない田畑設計に決めた所から間違いが始まったようです。

具体的にはPCa{プレキャストコンクリート}というコンクリートブロックを積み上げる工法により、3階建て延べ床4300平米の庁舎を作る設計で、ここから大きく間違いがスタートしたといえますね。PCa構造ですと工期短縮と均一の構造体の施工が可能になりますが、施工単価が坪140万円程度と割高になってしまいます。それに地震対策として免震構造の3階建ての庁舎にしては過剰といえる構造計算をして、事業費を増大させてしまいました。また環境対策として地下水を循環させる空調システムや、ペレットボイラーといったランニング費用が馬鹿高いシステムを設計に組み入れています。

いくら町の担当者に説明をして実施設計をしたとしても、建築の専門家がいない川俣町の担当者では専門用語で説明されても「馬耳東風」にしかなりませんね。

医学界のセカンドオピニオンのように、もう一度庁舎実績のある大手、日建設計にでも設計をやり直していただいて、構造・電気・設備を外注しないで自分で設計できるアーキテクチュヤーにお願いするのが一番だと思いますね。プロポで設計者を選ぶなら、明確な参加用件を準拠し、かつ公共建築協会のような大臣官房営繕部の仕様を厳守する公平な審査委員を選ぶべきです。

「安物買いの銭失い」にならないように、実績があり、下請けの出入り業者に丸投げしないで自分できちんと設計できる業者にさせないと、川俣町庁舎は建設することが不可能ではないのですか古川町長さん!

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被災した庁舎を建て直すとはいえ、高い費用をかけて新庁舎を建てるのではなく、費用を抑えて必要最低限の庁舎でいいのではないですか?

<「投稿サイト」編集部>