建ぺい率、容積率の縮小が避けられない南東北病院

郡山市八山田から富久山へ移転事業を進めている南東北病院ですが、事業費が大幅拡張したことから診察スペースの縮小を始め共用スペースなど売上に寄与しない床面積を大幅にカットして、事業費の圧縮を目指していることが、設計を担当している伊藤喜三郎建築研究所から聞こえてきました。

元々ローコストで病院建設を行う徳洲会仙台病院をモデルとしてキープランで進められていた新病院基本設計業務でしたが、構造体をRC造(鉄筋コンクリート造)からS造(鉄骨造)や外壁のALC(軽量気泡コンクリート)化だけではVE(バリューエンジニアリング)効果が薄いことから、収益に貢献しないスペースの大幅縮小を始め、当初計画されていた7階建てから5~6階建てに階高を減らすなど「働き方改革」に逆行するコンセプトで基本設計が進められているそうです。

診療科目も数科減らされるようで、これは、融資元のみずほ銀行を始めとする関係金融機関らが求める収益率にまだ乖離があることから、利益率の悪い診療科目の削減まで踏み込まないとVEの達成は困難だと指摘されているとのことです。

最終的には、福島市の大原綜合病院のように実施設計と施工を一体とするECI(アーリーコントラクターインボルブメント)方式による施工で一段のコスト削減を目指すそうです。経費削減にとらわれて安全を無視した安普請の新病院を建築しないで欲しいものです。

(投稿ネーム:辞めろとまで言われている一夫理事長の抵抗)

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本誌で何度も取り上げている南東北病院ですが、県の農地をあまりにも高額で買い取ったことから、多くの歪みが生じているようです。郡山市民のためにも一日も早く多くのトラブルを解決して、優良な医療施設が建設されることを願っています。

<「投稿サイト」編集部>