猪がいなくなってしまったその陰には…

最近、県が原発事故後、増え続けていた野生の猪について被ばく量のベクレル数を初めて公表しました。このことがあって、プロの猟師として猪ハンターをしていた友人に尋ねたところ、友人は「もう今は猪を狩っていない」とのことでした。以前は、年間約300頭を目標に働いていたのですが、一体どうしたというのでしょう。

友人が狩猟をしていた頃、大きな猪は100㎏以上あるため、処分するのに運ぶのが大変だったと語っていましたが、今はほとんど見かけなくなったと言います。猪は農作物を荒らすため、市や県の公共機関は地元の猟友会に依頼し駆除していましたが、1頭当たり23,000円が相場となっていた筈です。それが今は全く狩猟をしていないと言うのです。

よくよく聞いてみると、「昨年10月頃から猪は豚熱(旧称・豚コレラ)にかかって多数死んでしまった」と言うのです。猪は豚の仲間でもある訳ですから、確かに豚熱にかかってしまう可能性があります。養豚場では豚熱が発生すると、全頭殺処分にされるという危険な病気です。自然界で豚熱が流行し猪がほぼ全滅してしまったとのことでした。怖い話です。

(投稿ネーム:豚熱怖い!)

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人間界では、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって日々大騒ぎしています。一方、野生の猪の世界では「豚熱」が蔓延し、福島県では、浜通りの一部で、猪の生存数が多いエリアがあると言いますが、殆どが姿を消したと言います。ある猟友会では「普段、猪は人目につく場所で死骸を見ることは殆ど無いが、最近は小動物などに食され土へ帰る分解サイクルが間に合わないほど病気によって死んでおり、そのまま腐敗している」と語っていました。

隣接する山形、宮城、栃木県では養豚場からこのウイルスが検出されており、養豚を営んでいる方には大きな問題です。この問題は防疫面も含めて時間があれば本誌で取り上げてみたいテーマの一つです。

<「投稿サイト」編集部>